「シードバンク」とは、生きた種子が集まっている場所です。その意義は、種子の受け入れと普及のための場所となる事で、長期の保存を目的としたものではありません。
世代から世代へと大切に受け継がれてきた先祖伝来の種子には、自家採取できる種子が豊富にあって、熱心なメンバーたちの手で大切に育てられています。

ミッシェル&ジュード・ファントン
    (自家採取ハンドブックより)

種を受け取る。検疫する。

  用意するもの

  • できれば、冷蔵庫・冷凍庫
  • 熱封印機械
  • 様々なサイズのジッパー付きビニール袋(ジップロックなど)や封筒
  • ゴムでパッキングできる(してある)ガラス瓶やカンなどの密封容器(遮光性のもの)、あるいはネズミ防止のスチールカン
  • 冷凍保存に使用できる、さまざまなサイズのビニール袋
  • 冷凍保存に使用できる、脱酸素剤
  • いろいろなサイズに小分けして使う、シリカゲル(乾燥剤)
  • 種をきれいにする時に使う、様々な目の荒さのふるい
  • 球根、塊茎、切穂などのためのかめなどのポット類

シードバンクの第一歩は、種を育成家から集める事。そして、集めた種をよく調べます。病気がないか、乾燥しているか確認し、クリーニングします。

2.バンクに種を受け入れる。年代順に001からはじめる。

  用意するもの

 (本に記録する場合)

  • 受け入れた種、継承した種の記録をするノート
  • 交配参照を記録するノート

(コンピュータに記録する場合)

  • データベースプログラム、具体的には、ファイルメーカーpro
  • 封筒、粘着性のラベルやカード
  • 定規
  • ポット用のタグ
  • 返信、礼状、アドバイスなどを送るための、フォームレター

受け入れた種子にたいして、世代ごと、栽培者ごとに、品種を識別する登録ナンバーをつけます。そして、この記録を保存する事こそが、シードバンクの重要な仕事です。

3.大切に貯蔵する。

  用意するものは、1.にあるものです。

種子は適切に貯蔵すれば、その寿命は2倍、3倍にもなるといいます。種子に合わせて適切な環境をつくり、貯蔵します。乾燥した種を、ジッパー付きのビニール袋に入れて、品種や日付け、その他の必要事項を記入し、シリカゲルや脱酸素剤などと一緒に密封ビンに貯蔵します。そして、そのビンを冷蔵庫や食器棚、地下室などに置きます。種によっては、湿度が必要な種があります。

4.発芽能力をテストする。

  用意するもの

  紙でテストする時(小さい種の場合)

  • トレイやバスケット
  • ペーパータオル(漂泊していないもの)
  • 霧吹き
  • タグ
  • ビニール袋
  • 計算機(発芽率%を計算します)
  • ボウル、カップ、ポット、発芽用の土*(うり科やマメ科などの大きめのの種の場合)
    *発芽用の土とは、角の尖った川砂と、堆肥を土に混ぜて、よくふるいにかけたもののことです。オーストラリアで使用されていたものは、土というより、砂そのものといった印象でした。

  ポットでテストする時(大きな種の場合)

  用意するもの

  • 苗床、水など
  • 川の砂、角の丸くなっていないもの。(土に隙間が生まれ、小さな芽が通りやすい)
  • テストを規格化させるために、大量のコンポスト
  • とにかく、たくさんの労働力!

種子を土に蒔く時は、その直系の2〜3倍の深さに蒔くようにします。(ただし、深すぎるよりは浅い方がよいのです。)入門編としては、一年おきに発芽試験を行ってストックすると良いでしょう。各品種、10〜100個の種子を用意します。小さな種子の場合はミスを含んだペーパータオルを用意し、ビニール袋などに入れ20〜25Cで一週間置きます。土の場合も同様に、種子を蒔いた後、一定の暖かい温度を保つようにして一種間程おきます。そして、一週間後に発芽した種を数えて発芽率を出します。発芽率が60%以下のものは、発芽不良とみなします。その場合は、速めにメンバーに配付し、増やすようにします。

5.庭で、畑で、適切な時期に種子を試してみる。

  用意するもの

  • 庭、苗床など種をうえる場所
  • ラベル、
  • そして、たくさんの労働力!

実際に、種子にあった種まきの季節に畑や苗床に蒔いてみましょう。その際、何を蒔いたのかを記録する事が大切です。ラベルは畑で紫外線で消えずになんか月も持つことが必要です。市販の白いマットのラベルにダーマトグラフなどで記入すると良いでしょう。

6.種を小分けにする。

  用意するもの

  • 種を入れる袋、パッケージ
  • ラバースタンプ
  • スタンプパッド
  • ここでも、たくさんの労働力!

配付するために、種子を小分けにしてパッキングします。発芽テストの結果が100%なら少なくてすみますし、50%というようなものなら、2倍の種を入れます。また、バンクに存在する種の量によっても、1パック当たりの種子の数量は変化します。

以下が基本的な数量です。

  • もっとも大きな種子や希少な種、数多く育てる必要がない作物の種子は、1パック10粒。

   綿やそら豆など

  • 大きな種子は、1パック15〜20粒

   豆科、オクラ、かぼちゃ、ひょうたん・キュウリ・メロンなどのウリ科

   ゴボウなど

  • グリーンピースなどの豆は、1パック25〜30粒
  • 中くらいの種子は、1パック25〜30粒

   バクチー、ブロッコリー、キャベツ、とうがらし、チリ、なす、フェンネル、

   ほうれん草など

  • 小さめの種や大量に持っている種は、1パック40〜50

   アマランサス、バジル、コリアンダー、レタス、マスタード、たまねぎ

   パセリ、ロケット、トマトなど

  • 最も小さい種子や穀物、たくさん育てたいものは、1パック60粒

   にんじん、穀物類、ポピー、ラディッシュ、だいこんなど

  • 遺伝的多様性の維持のためには、1パック100粒が必要です。

   コーン、サンフラワーなど

7.種を育成家に配付して、増やしてもらう。

  用意するもの

  • 郵送料についての資料
  • スタンプ類
  • 郵便封筒、パット付き梱包用封筒(再利用可能)
  • テープ

  郵便の場合

  • 郵便料金表
  • はかり

  グループやミーティングなどで配付する場合

  • 種の“預け入れ”や、“引き出し”を記録するノート(あるいは、データベース)

オーストラリアのThe Seed Savers' Networkでは、メンバーは年間を通じて様々な種子を手に入れる事が出来ます。また、ニュースレターを通じて、探している種子の提供をもとめたり、メンバー同士で交換をする事ができます。最近は、WEBを通して、種子を提供したり、交換したりされている園芸家の方が増えてきました。みなさんも、検索してみてください。いろいろな出合いがあるでしょう!自家採取ハンドブック出版委員会によるたねとりくらぶオンラインも必見です。

8.参考資料と調査について。

  用意するもの

  • コンピューター
  • 種の育成家からの報告、手紙によるフィードバック
  • 本、雑誌など
  • 種苗屋さんのカタログ(古いもの、新しいものともに)
  • 農林水産省の資料(過去のもの、現在のもの)

以上、簡単なシードバンクの流れをご紹介いたしました。より詳しい方法を望まれる方は、以下のサイトや本を参考にしてください。また、ぜひトレーニングを受けてみたいという方には、The Seed Saver's Networkでの上級者向けコースやインターン制度があります。みなさんも、楽しいたねとり生活をはじめてみませんか?
また、SSNを訪問したい方は、ピースシードでも御紹介いたします。
*これはシードセイバーズネットワーク・オーストラリアのワークショップで使用されている資料をピースシードが編集たものです。

参考

オーストラリアを拠点にシードバンクを運営し、トレーニングも行っているMichel&Judeによるサイト。上記の資料は彼等のワークショップに参加した際の資料をもとにしています。
The Seed Saver's Network

The Seed Saver's NetworkのMichel&JudeのThe Seed Saver's Handbookが日本向けに加筆されて現代書館より出版されています。わかりやすく解説された、種取り人の必携書です。
自家採取ハンドブック「種取りくらぶ」を始めよう
ミシェル・ファントン&ジュード・ファントン著 現代書館

日本版時か採取ハンドブック出版委員会が運営する「自家採種ポータルサイト」
たねとりくらぶオンライン

 

英語版サイト:www.seedsavers.net
 コンタクト:info@seedsavers.net

このページはPeaceSeed.Orgが翻訳・構成をしています。
シードセイバーズオーストラリアへの御紹介もいたします。

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