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20世紀なかば、爆発的な人口増加を背景に、科学者や政治家は世界の食料生産を高める事を徹底的に目指していました。その結果生れたのが“緑の革命(Green
Revolution)”です。世界を食糧不足から救う事を目的 として生まれた農業革命ですが、同時に、種苗を足がかりとした多国籍企業による農業支配の序幕の意味を持っていたことも指摘されています。“緑の革命”の生みの親と
して知られているのは、ノーマン・ボ−ロ−グという農学者です。彼は、世 界の食糧不足の改善に尽くしたとして、1970年にノーベル平和賞を受賞しました。 参考 ●FAO Food and Agricultural Organization イタリア、ローマにある国連食糧農業機関。農業の発展、栄養の改善、及び食料安全保障(food security)の確保を通じての、貧困と饑餓の撲滅のための、国連の中で最大の専門機関です。 ●IRRI International Rice Reserch Institute フィリピンにある国際稲研究所。「緑の革命」で改良品種IR8を農薬、化学肥料とともに、大規模に普及しました。国連はFAOを通じてIRRIを援助しています。 1980年代前半、バイオテクノロジーの産業利用を契機として、数々の多国籍企業が種苗産業への参入合戦を繰り広げ、「種子戦争」と呼ばれるまでになりました。「種子を制するものは世界を制する」というフレーズは「遺伝子を制するものは世界を制する」と同義のものとして語られました。多くの多国籍企業が、農薬・肥料・農業機械などの農業関連技術・生産資材をF1などの種苗と共に「パッケージ商品」化するという販売戦略により、巨大な農業市場を開拓しました。もはや「タネ」ではなく「遺伝情報」として市場で評価されていると言っても過言ではない状況になっています。日本においては、福岡正信氏をはじめ、自然農法家の方々が種子戦争の危険性について早くから提言されていました。 ●種子汚染(遺伝子移行)Bio Contamination ●F1品種(一代交配種)First Filial Hybrid 日本語では一代雑種・ハイブリッド品種ともいう交配種のこと。「異なる品種を交配させ雑種を作ると、親より優秀な子ができることを利用した育種方法」で人為的に交雑し、欲しい形質(高収量・味・耐虫・耐病性など)を強化した種のことで、遺伝子の組み換えとは違います。 ●在来品種・固定種 交配種に対して、人々が自然交配や何年にも渡り選抜淘汰して育種し遺伝的に安定した品種。自家採取で次の世代の種を取る事ができる、ある程度の遺伝的多様性が含まれます。 ●遺伝子組み換え作物Genetically Modified Organisms 遺伝的に手を加えられ、除草剤耐性(全体の71%)や殺虫性(28%)などの新しい性質を獲得した植物。遺伝子組み替えの技術には「アグロバクテリウム法」などがあり、その技術自体が特許の対象となっています。 ●生物多様性 生物多様性とは、地球上に存在する多様な生物すべてに違いがあることを意味し、大きく「生態系の多様性」「種の多様性」「種内の多様性」の3つに分けられます。 ●生物多様性条約 生物多様性に関する条約は、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開かれた地球サミット(国連環境開発会議)で策定され、1993年に発効した条約で、2001年11月までに日本を含む182カ国が署名しています。 持続可能性、環境、多様性などをエントロピーという視点から検証した循環型社会を実現するための20の視点も参考にごらんください。 ●生物の多様性に関する条約のバイオセーフティーに関するカルタヘナ議定書 Cartagena Protocol 地球サミット(1992年)で発効された生物多様性条約に基づき、生物多様性の保全のために2000年に採択された議定書で、正式名称は「バイオセイフティに関するカルタヘナ議定書」。バイオテクノロジーにより特定の遺伝子を組み込み、病気や害虫などへの抵抗を持たせた遺伝子組み換え生物が越境移動することで、従来の生態系を崩すことを防ぐ目的。輸入国が該当生物の輸入の可否を判断できる制度の導入などが謳われている。国内では、環境省、経済産業省、農林水産省、文部科学省、厚生労働省とともに、財務省も加わり、6省で「カルタヘナ議定書国内担保法(仮称)」取りまとめている。この議定書は、50カ国が締結した日から90日後に発効されることとなっている。
日本では2002年に採択され、締結国に加わっている。 ●多様性の中心 center of diversity 高度の遺伝学的あるいは種の多様性がある地理的な中心地域。 ●スターリンク 欧州のバイオ企業アベンティス社が開発した遺伝子組み換えトウモロコシの品種。米国初の栽培許可取り消し品種。 ●ターミネーター・自殺する種子 種子会社から購入したあるGM種子を蒔くと、発芽して成長し正常に実をつけ種子ができますが、農家がそれを採種し、次の作期に蒔くと、全部“死種”で発芽しません。そのような種子は“自殺する種子”と呼ばれ、ようなことを可能にする最先端の遺伝子組み換え技術をターミネーター・テクノロジーと呼ばれています。 業界的には、農民が種を保存するのを防ぐ方法とはされず、組み換え品種からの望ましくない遺伝子流出を防ぐ方法と解説されています。
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