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新しい時代のスクールランチ

新鮮でおいしい料理を愉しみながら、学習環境に違いを作った
アメリカ中西部のコミュニティーのお話。

 

中央アメリカ、ウィスコンンシンの町アップルトンにあるオルタナティブ・ハイスクールの廊下を歩いていると、勉強に集中し、友人や教師と触れ合う学生たちに出会う。彼らの静けさや目的意識は、この生徒たちが他のティーンエイジャーとは違った存在だということに気づかせてくれる。

この廊下では、他にも異なった点があることに気付くに違いない。ここでは生徒達がソフトドリンクやジャンクフードの自動販売機に列をなす姿は見られない。そこでカフェテリアを確かめてみる。油の臭いがしない。サラダや昔ながらの方法で調理された肉、そして全粒粉のパンが、こってりとしたハンバーガー、フライドポテトやブリトーに取って代わった。新鮮なフルーツや野菜が奨められ、生徒たちは水を飲んでいる。

成績は上がり、不登校という問題は過去のものとなり、口論はめずらしくなり、教師は教えることに専念できるようになった。ウィスコンシンの町アップルトンで、一体何が起きたのだろうか?

1997年、ウィスコンシンの町マニトウォックにある Natural Ovens は健康的な食事を地域の学校に提供する5年間のプロジェクトを開始した。目的は、新鮮で栄養価の高い食品が、学生たちの行動や学習、健康に対して本当の違いを生み出すことを証明するためだった。

プログラムの手始め、グレッグ・ブレットハウエルはその学校の学生監の仕事を依頼された。彼が見たものは“荒々しく、気にさわり、礼儀知らずの”ティーンエイジャーで、彼は仕事の依頼を断わった。その学校にはしつけや武器や違法行為などのありあまる問題を抱え、警察官をスタッフに加えなければならなかった。彼は、この学校が制御不能だと思った。

今、グレッグは学生監である。生徒たちの雰囲気は彼が1997年に見たものとはまるで変わってしまった。

アップルトン・プロジェクトの物語りはドキュメンタリー“Impact of Fresh, Healthy Foods on Learning and Behavior - 2002.(新鮮でヘルシーな食品が学習や行動に与える影響)”として短いビデオ になっている。このビデオはNatural Press, P.O. Box 730, Manitowoc, WI 54221-0730にて入手可能。価格は送料込みで一本$6。海外にお住まいの方は、 lois.herman@naturalovens.comに連絡し、価格とお住まいの国への送料をお問い合わせを。

校長のルーアン・コーネンは彼女の学校で目撃した変化に驚嘆した。毎年、校長はウィスコンシン州に対しドロップアウトした生徒、退学処分になった生徒、ドラッグを使用した生徒、武器を持ち込んだ生徒、自殺した生徒の数に関する詳細な報告書を提出することが要求される。プログラムが始って依頼、全ての項目に対する結果が“ゼロ”になったと彼女は報告した。

その高校の教師であるメアリー・ブルイェットは“もしマウンテン・デュウをがぶ飲みして、ポテトチップを食べながらそこらじゅうを飛び回っていたら、生徒たちの成績はほとんど上がらない”と信じている。今、生徒たちは非常に静かで行儀が良い、と彼女は報告する。“日々のしつけに関する問題を論議する必要はなくなったし、そもそも問題でさえなくなってしまったのです。”

メアリーは続ける。“現在、学校での最も大きな問題は、駐車上での駐車場所と生徒の遅刻です。授業の中断やフードプログラムが始った当初予想していた生徒の振るまいによるいざこざもありません。”

アップルトン周辺の学区域の最高責任者であるトーマス・スカールン博士によると、以前先頭に立って問題を引き起こしていた生徒たちも、その生き方を変えてしまった、と言う。彼はインタビュアーに“私たちは問題を沢山抱えている子供を持っていました。昨年、彼らは除籍されることなく、全てを切り抜けました。ドロップアウトはもはや存在しません。子供たちは学校に通って来たのです。彼らは健康な食事が自分たちをより良い人間にしてくれるということを学びました。そのことが彼らをさらに集中させ、幸福にしたのです。”

スカールン博士はヘルシーな食餌療法は行動を改善することは期待していたが、それが学問の遂行にまで強い影響を与えた事実に驚き喜んでいる。

メアリー・ブルイェットは生徒から学問的により多くを要求することができるようになった。彼女は授業時間の全てを教えることに使えるようになった。

この高校のカウンセラーであるデブ・ラーセンは、“怒りを噴出させるかわりに、子供たちが抱える問題の裏に横たわり動機となる本当の問題点について扱うようなりました。”と言う。

なぜ、他の学校はこの方法を試さないのだろうか?

通常、学校の栄養士は子供たちにヘルシーな食事をさせたいと願うが、それは無駄な努力に終わると納得させられてしまった。生徒はファーストフードを学校のカフェテリアで入手出来なければ、キャンパスの外で手に入れるだろう。このことは、アップルトンでは問題にならなかった。食品はナチュラルなだけではなく、注意深く用意された。Natural Ovensが学校のためのコックを雇い、養成することでプログラムを確かなものとした。

ファインゴ−ルド・プログラムの子供たちのように、一度食品と行動、学習とのつながりが出来上がると、ティーンエイジャーはその恩恵を楽しむようになる傾向がある。ある生徒は言う。“私は本当にこの食事が好き。とってもおいしいし、暖かくて新鮮なの。”

ある女の子は言う。“今は集中できるの。人といっしょにいるのは簡単なんだって思えるの。なぜなら、彼らになんて言ったらいいのか心配するだけじゃなくて、彼らが言うべきことに注意を向けられるようになったから。”別の生徒は言う。“もし大事なテストを受けるのなら、すごく良いものを食べたくなるよ。”

学校内の警官、ダン・トーバーは現在、厳しいしつけ係のかわりにロールモデルになることが出来る。生徒はかっこいい体つきを維持する彼の食事法に興味を持ち、肉体的な能力は食餌法に由来することに気がついた。

メアリー・ブルイェットによると、“戻ってくる生徒たちは、今ではプログラムの主張者になっています。生徒はお互いに励まし合っているのです。彼らは新しい生徒たちの良い例となり、非常に成功しています。”

アップルトンの小・中学校では数多くの変化が段階的に現れている。キャンディーマシーンは無くなり、ポップコーンマシーンは果汁や水に置き換えられた。そこには、地域全体にわたるより健康な食事や全般的なライフスタイルへのコミットメントが存在する。

“私はここで約30年間教えてきました。今年の子供たちは、静かで話しかけやすいのが見て取れます。より理性的になったように思います。私はリタイアしようと思っていたが、もう一年やってみることにしました。ー本当に楽しいんです。”

ーデニス・アブラム
中学の科学教師

いくぶん地味な変化が報告された学校においても、そこには本物の違いが生まれていた。アインシュタイン中学校の校長であるゲイリー・ヴァン・ランヴェルトは、“さらに静かになり、はしゃいだような行動が減り、生徒がより敏感に、集中するようになる”のを見た。

マディソン中学校の校長、フレッド・ジノッキオは生徒がヘルシーなア・ラ・カルトを買い、サラダバーを利用していると言う。彼は子供たちがホールにいる時に気がついた。“私たちは今年一回も事件を起こさなかった。私はずっと押しのけたり、ケンカしたり、攻撃的な行動に関わらないとならなかったのに。”

スカ−ルン博士はアップルトン中の学校で結果的に起きた転換を見た。“それは変化が見られるまで数年がかかることもあるでしょう。このプログラムはそのメリットそのものによってみずから促進すし、。時間を与えられるでしょう。フードプログラムを“損得無し”として眺める変わりに、私たちは子供たちにとって本当に良いことは何なのかを考えてみるべきなのです。”

増え続けるコストはどうするのだろう?

“ひとり子供が逮捕されたら学校にはこれ以上支払わなければならないのです。”

ーバーバラ・リード・
スティット博士
Natural Oven 代表取締役

Natural Ovensはウィスコンシンにある200の学校に対してゆくゆくは衝撃をあたえることになるであろう5年間の研究にかかる費用を保証した。さまざまな問題を方向転換させるためにかかる費用は年間2万ドルに及んだ。Natural Ovensの代表取締役であるバーバラ・リード・スティッフ博士は“ひとり子供が逮捕されたら学校にはこれ以上支払わなければならないのです。”と説明した。

スカールン博士は“もしこれで子供たちが幸福になり、勉強が進み、結果的により良いコミュニティーになるのであれば、にとってのであれば、これは必要な経費となるのです。それこそ私たちが取り組むべきことですから。”

ダン・トーバーが言うように、“あとでではなく、今、子供たちに与えよう。食品に対して金銭的に。‘彼らがヘルシーな食事をしていないというのに、私たちはどうやって抱えている問題を正せるのだろう?’という思いをもって。”

“生徒へ栄養のある食品を与えることは、一般会計に組み込まれるべきです。”メアリー・ブルイェットは言う。“私たちはその他の多くのことに関わってきました。新しいバンドのユニフォーム。フットボールチーム。教科書。栄養のある食品を与えることに関わらない理由はどこにあるのでしょうか?私には、これこそ、ポジティブな学習環境をつくり出すための様々な方法の中でも、もっとも基本的なことだと思えるのです。”

ルーアン・コーネンは、“私には、栄養価のある良い食事を供給するのは学校にとって負担が大き過ぎるという主張を信じることが出来ません。この経費はその他の経費を提言させるはずです。破壊もなく、混乱もなく、警備の必要もないのです。”“私たちの最も大切なものー子供たちーを利用して必要以上のお金を稼ぐことをやめなければならないです。”

ウィスコンシンのアップルトン・スクール・プロジェクトに関する詳しいお問い合わせは、 (800) 558-3535 Natural Ovens までお願いいたします。

訳:ピースシード荒井真理子
誤訳やお問い合わせはinfo@peaceseed.orgまで、よろしくお願いいたします。